うーん。小松著「ベクトル解析と多様体」は難しいな。それはいいとして外積

二つのベクトルの外積はベクトルだけど微妙にベクトルじゃないものなわけで、\bigwedge^2Vとかいう三次元ベクトル空間の元なわけだ。V\bigwedge^2Vも三次元ベクトル空間だから同型なわけで、同型写像は基底がどこに移るかを決めれば決まる。Vの基底(e_1, e_2, e_3)を決めると、まず、\bigwedge^2Vの基底(e_1\wedge e_2, e_2\wedge e_3, e_3\wedge e_1)が決まる。これらの対応を

 e_1\wedge e_2 \mapsto e_3,\qquad e_2\wedge e_3 \mapsto e_1,\qquad e_3\wedge e_1 \mapsto e_2

で定めれば、一応同型が決まるんだけど、基底の向きによって二通りの同型が存在する。というわけで、この同型を自然なものにしたかったら、二つのベクトルの外積という関数を、向き付けられたベクトル空間の元に対する演算として定義すればいいわけだ。これが、普通のベクトル解析のやり方。外積代数は結合律を満たすのだが同型が線形性しか保存しないので、結合律は失われる。

外積代数のままで扱うと、ベクトル空間に向きを付けておく必要が無いのと結合律が成り立つのが利点。直感的な描像がないのが欠点。

たぶんそんな感じ。