次元の壁が越えられない!
NHKのポアンカレ予想の番組見て思ったんだけど、これ一般人が見たら、数学屋が思ってる丸い対象とは違ったものを想像するよね。
宇宙がリンゴみたいな形をしてるか、ドーナツみたいな形をしてるかを考えてるような誤解を与えるけど、正確に地球の形の例えと宇宙の形の例えを比較してみると
地球の形 | 宇宙の形 | |
---|---|---|
紐をめぐらす範囲 | 地球の表面 | 宇宙全体 |
紐をめぐらす範囲の次元 | 2次元 | 3次元 |
外から見たときの形 | (3次元)球体 | 4次元球体 |
外から見たときの形の次元 | 3次元 | 4次元 |
紐をめぐらす範囲の形 | (2次元)球面 | 3次元球面 |
のようになっている。
この話は「地球の表面」と「宇宙全体」が対応していることを理解することが重要だ。
地球の形を知るために紐をめぐらせる対象は地球の表面で、宇宙の形を知るために紐をめぐらせる対象は宇宙全体なのだから、当然、「地球の表面」と「宇宙全体」が対応する。
これらの次元を比較すると、地球の表面は2次元の対象で宇宙全体は3次元の対象なので、結論の次元もひとつずれるはずである。
ということは、外から見た宇宙の形は4次元の球体である。4次元の球体がどんな形なのかは想像不可能だが、
を満たすの描く図形だろう。紐をめぐらす範囲の形はそれの表面なので、宇宙全体の形が4次元の球体の表面と同じ形をしているかどうかというのが今回のお話だったわけです。
単連結な3次元閉多様体は3次元球面に同相である
にでてくる3次元球面というのが、この4次元の球体の表面のこと。
球面に関して言えば、我々は2次元から3次元の壁を越えることが出来ない!